コルセットと中世ヨーロッパと / ネロリ





いきなりの私事ですが

ただ今、絶賛肋骨骨折中です

骨折と言ってもヒビが入っているとのことですので保存的治療中

湿布を張り、昼間はコルセットで体幹を固定



コルセット

痛みは和らぐけれど呼吸のしにくさは抜群(笑)

着物をよく着ていた頃(人様に着付けられる資格までとりましたが、大方忘れました…)は

どってことなかったのに、緩んだ生活に慣れてしまうとどこまでも緩みます



中世以降のヨーロッパの上中流階級女性の間でも体幹を締める服装が流行した時代がありました

映画などでも取り上げられる場面が

淑女の背中越しにメイドさんがコルセットの紐をしばり上げるシーン

時には数人がかりで

宴の最中に失神してしまうひともいたとかなんとか…

いかに苦しいか、身をもってお察しいたします苦笑


ウエストを細く上半身はボリュームのあるスタイルこそが美しいとされた時代

女性の地位が今ほど確立されておらず

家柄や夫の後ろ盾を得ながら社交界を渡り生き抜いていくためには

コルセットは社会的地位を守るための「鎧」であったのかもしれないと思います









ネロラ公妃アンナ・マリアさん

アロマテラピーを学んだ方なら一度は耳にしたことがある名前でしょうか

17世紀のイタリアに実在していた女性で

精油のネロリの名が彼女に由来するのはよく知られるエピソードです


ネロリ精油はビターオレンジの花から抽出されますが

この植物の面白いのが同じ植物から3種類の精油が採れるということ

枝葉からはプチグレン、果皮からはビターオレンジ…と全く異なる精油が採れます

ネロリ精油はこの中で一番採油量が少なくて希少

精油全体でみても然り、です


ネロラ公妃アンナ・マリアさんはこの香りを心から愛し

常に皮手袋に香りを添えて社交の場へ出向いていたとされ

当時のパリ社交界をも虜にしてしまった香りです









コルセットが中世ヨーロッパの上流階級女性の「鎧」だったように

ネロリの香りは「盾」だったのかもと思えて仕方がありません


自分の主張を自由に挙げることの難しい時代

それでも自分という一人の人間が確かにここにいて

不安や葛藤を抱えながらも、男前な部分を前に押し出して踏ん張って生き抜いてゆく…

そんな貴族女性たちを優しく癒し支え

時には背中を押してくれたのがネロリ精油の香りだったのではないかと思います

社交界のジャンヌ・ダルクのように頑張れって



ネロリ精油

植物の植生や精油と歴史の関係性、心理学を絡めて鑑みて

わたしなりにこの精油の香りが持つ道しるべを見出すとしたら


・自分の立ち位置を確認する時

・自分なりのバランスを探す

・そのままの自分で良い

・誰かの代わりはしなくても大丈夫

・不安を押しのけ前に進む力がある

・選択肢はいくつもある

・社会的役割の確立、変化

・今が頑張り時

・男前な部分を動かしたい時

・改革者の支え、夢を叶えていきたい人の支え


こんな感じでしょうか

もっとネロリ精油を知り、使ってゆく中で変化することもきっとあると思いますが笑









骨折からコルセットの話になり、中世ヨーロッパ貴族社会を経て着地点はネロリ精油のもつ道しるべ笑

日々のあれこれと照らし合わせながら改めて精油と対峙するのも面白いことがわかったので

シリーズ化する?かも?しれません笑



ちなみに

画像の花は我が家で育てているレモンの花

甘くてとっても良い香りがします

レモンの花から採れるネロリ精油は Neroli citronier と 言われていて

ビターオレンジの花から採れるネロリ精油は Citrus aurantium と言われます



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